働く親が「子供は自分で育てなきゃ」幻想に傷つき、陰で泣いてしまう真因
私がまだ独身で20代だった頃。
結婚なんて無関心の時代に、大学の研究室で一緒だった先輩の家へ遊びに行ったときのこと。
彼女は派手さのない人柄で、勉強がとてもできる人でした。
ずっと研究職一本でその分野を深めていく人なのだろうと思っていたが、社会人1年目で結婚、出産した。
仕事を辞めず、すぐ復帰。
私が彼女の家に誘われた時には2児の母だった。
子供を乗せられるワンボックスカーで駅まで私を迎えに来てくれたのを今でも覚えている。
こんな大きい車を運転する人に到底見えなかったので、
彼女の変化に意表を突かれた。
彼女と子供たち、ご主人と食事をしながら、大学時代の話、仕事の話、育児の話をした。
「保育園には早く入れた方がいいよ~」
受け入れ月齢に達したらすぐに預けていいんだ!と
教えてくれた人生の先輩の言葉。
私はそれを信じて(単純!)、第一子は生後2か月で、第二子は生後3か月で同じ保育園に預けて仕事復帰した。
フリーアナウンサー小川彩佳さんが、仕事と育児の間で泣いているのを知って
ニュース23のメインキャスター小川彩佳さんも、
出産3か月後に仕事へ復帰した人。
トーク番組でまだ小さい赤ちゃんを育てながら仕事をすることへの葛藤を語っていた。
「シャワーを浴びながら泣くこともある」
「なんか今日うまくいかなかったなとか、
このままで大丈夫なのかなとか・・・」
このままで大丈夫なのかな・・・
この言葉から、
小さな赤ちゃんを人に預けて、仕事に出ていることの後ろめたさ
を感じているように見えた。
「子供は自分の手で育てなきゃ」
そんなことを言われて、言い返せずに、後で泣けてくる日々を送っているのだろうか。
どうしてこの言葉に傷ついてしまうの?
と彼女に問いたい。
その正体は、お母さんの完璧な姿
なぜ、たった一人の何気ない「子供は自分の手で育てなきゃ」の言葉に傷ついてしまうのか。
それは、その人の子育て・家事の認識が、「専業主婦」の母像だから。
家事・育児は母親の役目
家はきれいでなきゃ。どんなに遅く帰ってきても毎日掃除機をかける
赤ちゃんには母乳、抱っこして温もりを与えないといけない
食事は手料理。ダシをとるところから手を抜かない
そして、
その母親の役目が務まらなくなったとき
多くの働く女性は、
仕事を辞める
という考えに行きつく。
それは正しい人生の選択なのだろうか?
モノやサービスが溢れる令和の時代に、
あまりにも単純すぎる決断に見えて仕方がない。
100人赤ちゃんを育てる女性がいたら、完璧な主婦業・母親業をこなしている人は0人です!
今、赤ちゃんを育てている女性100人が集まったと想像してください。
彼女らは、自分がどれだけのことをやっているか話し始めます。
(でも、できていないことは話しません。否定されそうで言えないのです。)
一人目は完全母乳で育てたよ(でも、家の掃除は週に1回やったかな・・)
毎日手料理とお弁当作りも欠かさない(手料理と言いつつ、ほぼ冷凍食品)
昔ながらの布のおしめを使ってるよ(でも、粉ミルクに頼っている)
という具合です。
完璧な専業主婦など幻想。
全てを完璧にこなしている人などいないのです!
子育ての一番の栄養は、「母親が人生を楽しむ姿」を見せること!
昭和の専業主婦像を捨て去って、
仕事、家事、育児を遂行するにはどうすればよいか。
イロイロ説明したのですが、端折って実例を載せます。
早々に保育園へ預ける
(認可保育園にこだわらない。とにかく子供を預けられるところに入所)
→ プロの育児を見ながら、参考になることは家でも実践していくことで勉強になる。「自分の両親の子育ては自己流である」と考え方を変える。
母乳にこだわらない。粉ミルクで育っても、丈夫な子になる。
→ 保育士、小児科医が言っています。そこに差はないと。実際に私の子供も元気な子に育っています。
子供が泣いていて、自分が世話をできないとき、「これやって」と夫に頼む。自分のやり方と違っていても、多少ヘタクソでも「良し」とする
→ 産院の看護師さんが何にも手伝わない夫に、「あなたがやるのよ」と真顔で言ってくれました。私の「夫に任せられない」先入観が、本人を何もできない人にさせてしまっていると分かりました。それ以来、「夫に任せる」と思考が反転しました。
この3つをやった結果、
「イライラしなくなった」「自分の時間ができた」
「楽しいことを考えられるようになった」
こんなポジティブな気持ちに移行していったなら、
成果が出ている証拠です。
あなたが、人生を楽しむ姿を子供もご主人も感じているはず。
この先「このままで大丈夫なのかな・・・」と迷ったとしても
「こうしてみよう」と明るく向き合えるようになっているでしょう。
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・実家に帰省しての出産
・手作りのレッスンバック
これも、昭和の母親像を強烈に印象付ける典型といえます。
「出産はダンナと一緒に乗り越えるイベント」と捉えて、出産の準備を楽しめばいいし、学校に持っていくバックは「手作りでなくて、大手スーパーマーケットで買って準備」してもいいのです。
雑巾でさえ、買った方が安くつく時代。
頼っていいんですよ。