1on1面談が思うようにいかない時に読んでほしいです

こんにちは。福原めぐみです。

今回は管理職やリーダーの方から多く寄せられる面談の困りごとを取り上げます。

会社の部下やメンバー、職場の同僚との仕事における面談や、近況のヒアリング。

「最近どうですか?仕事は順調ですか?」

を入り口に会話を進めていくも、面談終了後にスッキリしない感覚がある。

  • 相手のペースになってしまい、話の筋をリードできない
  • 愚痴を聞く時間になりがち
  • 説教の時間になりがち
  • 毎回同じ指摘をしている

もっと実のある面談の方法があったら知りたい!

そう感じている方にお読みいただきたい対処法をまとめました。

職場で行われる1on1面談。なぜ良い方向へ変わっていけないの?

ここ何年か「風通しの良い職場づくり」に取り組む会社が増えました。大手企業を例にすれば、若手を会社役員に抜擢して大胆な施策で舵をきるところもあれば、相変わらず上意下達型の古い価値観のまま、社員が目に見えない抑圧や、閉塞感を感じながら働くしかない会社も。悲しいかな取り組みが効力を発揮していない例です。

職場の風通しを良くするため、社員の面談も行っているはずなのに、なぜ、良い方向へ変わっていけないのでしょうか。

初めに、話を聞く社員の側を考えてみましょう。

人は常に話したいことを持っています。

「もう会社辞めたい」という大味な悩みから「会社の飲み会に参加したくない」という他人からしたらどうでもいいようなピンポイントの苦しさまで、様々に渦巻いています。

訴えたいことは限りなくあるのに、いざ「何でも話してほしい」という名目の1on1面談では、言えることと言えないことを分けていて、選びながら言葉にしていきます。

選びながら話をすると言うことは、その時点で本音が含まれていません。

そして、選びながら話をするので、矛盾を感じる論理を語ったり、極端に幼稚な意見を言ったりもします。

聞く側はこのような心得が必要です。

  • 想定外の話が飛び出すことを承知しておく
  • お互いの立場を尊重する
  • 責任追及、正論での攻撃はしない
  • 前向きな内容のコミュニケーションを心掛ける
  • 会話はあなたがリードする

面談で建設的な会話を行い、人の話を聞くということは、なかなかハードだと感じているかもしれませんね。次によくある2つのケースを例に見ていきます。できるとこが見つかると思いますよ。

■ケース1)問題解決型の面談

進捗のつまづきを解消しようと会話を誘導するが、メンバーは上辺だけの当たり障りのない返答ばかり。 こちらのアドバイスを聞いているのか聞いていないのか…。

  • 「どうしてそうなるんですか?」(質問形式のと問い詰め)
  • 「それならいいです。別の人に頼みます」(仕事を取り上げる)
  • 「やる気がないなら、やらなくていいです」(裏を読ませる言い方)

こんな口調をよく耳にしますね。あなたは無意識に使っていませんか?もし使っているなら

「自分が相手より立場が上」「自分は正しい、相手は間違っている」という意識が会話ににじみ出ている証拠です。

良かれと思って、指導しているかもしれませんが、相手を「変えよう」と躍起になっていませんか?

このような言葉を聞いた側は、その「変えよう」という姿勢に自分への無理解を感じてしまいます。

言葉では言いませんが心のどこかで「言っても無駄だ」モードになり、建前でしか話してくれません。

では、本音に触れる会話をするにはどうすればいいでしょうか?

こんな工夫が必要です。

工夫1)社員理解の守備範囲を広げて

冒頭で挙げたようにどんな人も様々な考えを抱いていて、管理職のあなたにとっては「はみ出す」「外れる」厄介な存在の場合もあります。ストライクゾーンの話ばかりではないと構えましょう。

そして、本人がうまくいっていないことに気づくような声がけをします。

工夫2)面談のゴールを共有する

例えば面談の導入部分で

「今日のこの面談の30分では A さんが困っていることが何なのか、二人で共有する時間にしましょう」

このようにこの時間の目的をはじめに決めます。こう言われた側は何に困っているのかを話すのが目的だと分かるので、その部分を話し始めます。

問題解決型の人が注意すること:

つい、自分の意見を言いたくなりますが、一方的な意見の押し付け、やり方の決めつけは一番やってはいけないことです。面談の冒頭で決めた目的だけに時間を使ってください。この例でいうと、問題を共有するだけで終話します。

決していつものように、ああしなさいこうしなさいと、指示をしたり、段取りをすることがないように。

あなたのやり方、前例踏襲だけが正解のやり方でしょうか?相手もあなたもいびつな形をした人間です。相手の余白を認めて、時間をかけて関わっていくことも職場の人間関係構築の考え方に加えましょう。

■ケース2)一方的に話を聞くだけの面談

面談をしたら不満だらけ。メンバーの一方的な話にペースを持って行かれ、私は頷くだけ。。。

一見すると、傾聴で成り立っている正常な面談のようなので、「話を聞けている」と勘違いしてしまうケースです。建設的な会話がなされていないのであれば、改善の取り組みができそうです。

この場合、よくあるのが、建設的な話にならず、堂々巡りしてしまうことです。

堂々巡りの面談はただ、時間だけが過ぎていきます。過去に5時間も面談したことがあるという管理職の方にお会いしたことがありますが、ただただ、帰宅時間が気になって、疲労感が残った面談でしたと教えてくれました。

話者が相当ストレスを感じていて言いたいことがある場合、しっかり話を聞いて受け止めることは大事なのですが、それ以前に、1on1面談としての効果、話者とあなたにとって有効な時間にするため、工夫が必要です。

仮に話者をBさんとしましょう。

工夫1)一旦、話を区切る

全体的な話の様子が理解できてきた、もしくは堂々巡りになってきたら、勇気を持って話を区切ってください。

相手が熱心に話をしているところに割って入るのは勇気が必要と感じているかもしれませんが、これは面談です。主導者のあなたがマイクを取り戻すように話してみましょう。使いやすい口調として、こんな言い方があります。

  • 「Bさん大変でしたね。」(Bさんの感情を受け止め)
  • 「私のフォローも足りなかったように感じました。」(あなたが感じたことを表明)
  • 「ちょっと一旦整理しましょう。」(会話の主導権をあなたに取り戻す)

工夫2)出来事にフォーカスして話を整理

登場人物の人格にフォーカスすると批判や否定論になり、ただの不平・不満・悪口の吐き出しになりがち。登場人物を削除して、「出来事」を取り出すように順番に並べてみましょう。

  • いつ、どこで、だれが を整理(どう感じた、私見などは含めない)
  • 何があれば、あるべき姿になるか一緒に考える

「何があれば、○○(目指す状態)になると思いますか?」(足りていない部分を聞く)

工夫3)ポジティブな報告を

面談では、課題に触れる話が中心で、実施後は暗く重い空気になりがち。社員の意欲を支えるのは、ポジティブな声掛けです。感謝や期待を実感するから大変なことも乗り越えようと努力できます。必ず励みになる声をかけてください。

《話者の協力や感謝、話者への信頼を伝える》

  • 「Bさんがやってくれたアレ、助かりました」
  • 「お客さんに喜ばれました」
  • 「Bさんには○○できる力があると信じています」

《励みになる声掛け》

  • 「大変な時期だけど、この○○よろしくお願いします」
  • 「みんなの支えがあるおかげでこのチームが成り立っています」

まとめ

簡単に実施できる1対1のヒアリングの時間。

でも、実のある時間にしようと思うと少しコツが必要です。

一緒に働く人のパフォーマンス向上や、関係構築・関係向上のため行われる良質な会話の時間があって、相手をリスペクトする組織風土につながっていきます。

まずは、自分の口ぐせを確認することが大切だと思います。

以前は、私も裏がある言い方が口ぐせでした。

「福原さん、怖い・・・」といわれたこともあります。(悲しいけど)

裏がある言い方は、逆に言えば表があるということ。

ひっくり返さずにそのまま感じたとこを言うのがコツです!

これができるようになったら、傾聴スキルがグンとアップしますよ!


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