川崎市 水弁償問題 「業務上過失」は悪なのか?将来、必要な失敗もある。
こんにちは。福原めぐみです。
川崎市立小学校でプールの水を6日間に渡り流し続けるミスをした教諭と校長に水道代の5割に当たる95万の支払いが命じられました。川崎市の対応は不当だと、1万7千人近い署名が集まり、現在も物議を醸しています。
その理由として、教員の働き方改革が進みつつある中で、プールの施設管理はそもそも教諭の担う仕事なのかと、異論を唱える声が挙がっています。
学校で働く人で管理しきれないのなら、民間のスイミングスクールに委託するか…と検討する自治体も出てきています。
私は、教員の長時間労働が招いた、働き方改革にメスを入れるための「必要な失敗」だったようにも思います。
▶民間委託していたら、「水の出しっぱなし」は起きなかったのか?
プールの施設管理が教員の業務なのか問題視されるとなると、他はどうなるの?と疑問が湧いてきます。
理科室の管理はどうなんでしょうか。薬品を扱ったり、バーナーの火も使います。
調理実習室はどうなんでしょうか。ガスコンロがあって、包丁も使います。
給食室はどうなんでしょうか。ガスコンロや冷蔵庫は業務用ですし、包丁の数も多いでしょう。
各施設の管理を民間委託したとしても火事や爆発、水の出しっぱなし、機器の故障は起こります。
究極、水泳学習をなくす、薬品を使った実験はしません、と廃止、縮小…と極端な選択をすることに。
それでも、人がかかわっている限り、必ず過失は起こるし、なくならないと私は思っています。
▶公共と民間企業との違いが背景にある
6日間も水を出しっぱなしなんて、初めて知ったとき疑った人も多いでしょう。
「翌日に誰かが気づかなかったの」と真っ先に思います。よく小学校で目にする「校長先生によるパトロール」が危険を察知する目で行われていたなら2日程度の被害で、厳重注意か始末書で終わるヒューマンエラーです。
ただ、「教諭と校長が水道代を弁償させられたこと」を「社員と課長が水道代を弁償させられた」と置き換えて考えてみると、過失の見え方が違うのが分かります。
民間企業は、捻出する財布があり、商品やサービスを提供することで利益を生めるため、過失を仕事で挽回することもできます。知恵を絞れば穴埋め以上のメリットが企業側に返ってくる可能性が充分あります。
しかしながら、公共は予算内の活動。与えられた資金の中での事業活動で、しかも資金は国民の血税から捻出されたるため、お金の使われ方を厳しくチェックされます。「なんで7月の水道代がこんな額なの?」と問題視されたとき、穴埋めをするための「土」を生み出しようがありません。
友人で小学校の先生、中学校の先生がいますが、こういう時のために「教職員の保険」に個人的に加入していると教えてくれました。生徒への傷害賠償、物の破損、仕事上の過失に遭遇するかは、確率の問題であって、自衛しかないと言っていました。
部活指導や細々とした事務仕事が膨大で、本来やるべき授業準備の時間もない中で、最低限の身の守り方です。
▶失敗、トラブル、ミス・・・過失の経験は尊い。人を管理する立場になったら、必ず強みに変わる!
銀行のシステム障害、給付金の誤送金4630万円、マイナポータルの紐づけ誤り… 人がかかわっている限り、過失は生まれます。そして、起こった過失は、消えません。当事者になってしまったら、「これからの仕事で挽回するしかない」というのが私の持論です。
わたしも課長職時代に思いもよらぬ業務上過失を経験したことがあります。思い出したくもないので詳細は語りませんが、人生で初めて始末書を提出しました。同僚は「さっと書いて提出してしまえば?」と軽く言うのですが、ふがいなさから来る自信喪失で、一筆書くことになかなか向きあえず、1週間ほど時間がかかった記憶です。上司に提出するのも怖かったです。
会議では、社員への見せしめで、いいさらし者。部下には自分の弱みを露呈するわけですから、そうとう参りました。
それでも、その出来事を通過したことで、相談したり、相談されたりが多くなり、管理職として厚みが出て、どんなとんでもないヤラカシの報告を受けても、「あの時よりマシか」と客観視できたことは、成長の糧です。あの時の苦しみ無しでは、今の自分は存在しないと言えます。
▶失敗が怖い人は、こう思ってください。
失敗が怖い人は、こう思ってください。
「仕事で失敗しない人はいない。」
年次が上の人ほど、とんでもないミスをしていることが多い。
叱責が怖い上司も
お客さんから怒鳴られた経験もしている。
数字のミスもやらかしています。
プライドが許さないから表に出さないだけ。
マウント取ってくる上司も、内心、あなたに過去の自分を投影して見ています。
プールの水を出しっぱなしにしてしまった先生、
管理責任を問われた校長先生。
精神的ダメージは大きかったでしょう。
でも、先生としてこの問題を通過した経験は尊い。
大失敗をしてしまった人と遭遇したとき、叱責するのではなく、
誰よりも心に響く最高の教材として活用することで
良質なリーダーシップにつなげられると私の経験からも言えます。
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